名港トリトン(愛知県)
 

東京大学生産技術研究所 教授 桑野 玲子 様

下水道機構とは

産・学・官の力を結集し、揺るがぬ連携のもとで技術の進展と普及を目指す「技術の橋わたし」です。

東京大学生産技術研究所
教授 桑野 玲子(くわの れいこ)

第1回:自己紹介
 東京大学生産技術研究所の桑野玲子です。専門は地盤工学で、ゼネコンの設計部門やつくばの土木研究所など様々な立場に身を置き、現在の職場に着任してから約20年になります。
 土質力学の基礎研究、土質室内試験・地盤調査法の開発、地盤の内部侵食、斜面崩壊メカニズム解明などの他、土構造や埋設構造物の長期挙動や維持管理に関することを主な研究テーマとしています。土の挙動はまだ予測が難しいところもありますので、調査・実験・観察を重視して実証的にアプローチしています。
 第2回:土は土木のフロンティア
 土木で扱う他の材料と比べて土・地盤ははるかに厄介です。一口に土と言っても、粘土からレキまで多種多様、同じ土でも含水状態や他の条件によって挙動が変わり、強くも弱くもなります。自然の地盤は不均質なので、地盤構造を把握するためには地盤調査が必須です。詳細な調査をしたとしても、例えば埋設構造物や擁壁に作用する土圧や、掘削工事に伴う周辺地盤の変状、降雨や地震に伴う斜面崩壊や土石流の箇所やタイミング、など、ピタリと当てることは難しいのが現状です。土は土木分野のフロンティアと言ってもよいと思います。
第3回:研究の理由と意義
 研究の価値をはかる評価基準は多種ありますが、今は何でも定量的に評価して、研究者の評価には論文数、研究論文の評価には引用数、と表面的な数字に右往左往する傾向があります。特に若い研究者はそれらの数字に囚われて、比較的早く結果の出やすいテーマを選択し、未熟な研究を細切れにして論文発表しかねません。そうしないと研究者として評価されず研究を継続する場を確保できないからです。しかし、本来研究は、社会課題から突き付けられる困難でも有用性の高いテーマ、あるいは純粋に好奇心から生まれるテーマに価値や意義があると思います。短期的成果を追い求めるだけでなく多様な評価軸を、評価する側もされる側も認識する必要があると思います。
第4回:最近のクマ出没について
 若い頃から山登りを趣味にしており、登山歴40年超になります。夏の尾根歩きのみならず、冬山、岩登り、沢登りも楽しんできました。これまで通算何百回も山に入っている状況下でクマに遭遇したことは、遠くに見た、あるいは姿は見えないけど近くに気配を感じた、というのも含めて、7回です。クマが人里に降りてきて人を襲う、ということがあちこちで多発している最近の現象には愕然とする思いです。クマは怖いですが山には登りたいので、従来のようにクマには山奥で人間から身を隠してもらって、この事態が早く収束することを願うばかりです。
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